PCF古典チーム
Q PCFって何ですか?
Q 実際に何をやってるんですか?
Q SLMって何ですか?
Q 将来何に役立つんですか?
蛍光顕微鏡について
Q 蛍光顕微鏡って何ですか?
Q 他の顕微鏡と比べて何がいいのですか?
Q 実際に何を研究しているのですか
Q その研究のすごい所って何ですか?
Q なぜそんなことができるんですか?
Q 二光子励起って何ですか?
Q 将来どんなことに使われるんですか?
PCF量子チーム
Q このチームは何をしているのですか?
Q スクイズド光ってどんな光ですか?
Q 将来、どのような応用が期待されますか?
Q 雑音で通信なんてできるのですか?
分子制御チーム
Q 分子制御ってどんな研究ですか?
Q どのような方法で反応制御するのですか?
Q フェムト秒レーザのプロパティーって具体的にはどのようなものですか?
量子相関光チーム
Q 何をやっているの?
Q どんなことをしているの?
Q 応用としては?
超高速顕微計測チーム
Q 超高速顕微計測チームは何をしているの?
Q 半導体の計測とは?
Q そんなに速い現象をみることができるの?
Q 具体的にどうやってみるの?
固体レーザチーム
Q 固体レーザってなんですか?
Q 研究の目的は?
Q 実際に何をやっているんですか?
PCF古典チーム
PCFについて
Q PCFって何ですか?
A Photonic Crystal Fiberの略で、中にパルス状の光を通すことで、その光パルスの性質を大きく変えることが出来る特殊な光ファイバの一種です。
Q 実際に何をやってるんですか?
A PCF光ファイバ中に、パルス状にしたレーザー光線を入れて、性質の異なる光をいろいろ作り出して測定しています。その際レーザー光を光ファイバに入れる前にSLMという特殊な装置を通すことで、光の形をいろいろ変えながら測定しています。
Q SLMって何ですか?
A Spatial Light Modulatorの略で、これを使うと光を整形することが出来る様になります。仕組みを簡単に説明しますと、まず光をプリズム(実際は回折格子)に通すと色ごとに光が分かれますよね。その後で光の通り道に各色ごとに屈折率の異なる物質を入れると、屈折率の違いにより光の速度が色ごとに異なるので、結果的に各色ごとに時間差ができます。その為もう一度プリズムを通してもとに戻すと、プリズムに入れる前と比べて光の形が変わっています。SLMでは、その屈折率の値を各場所ごとに自由に操作出来るので、光の波形を自在に変化させることができるというわけです。
Q 将来何に役立つんですか?
A 今はやりの医療やバイオ、通信といった分野で様々な応用が考えられていますが、ここでは通信で用いられているWDM(波長多重通信)についての応用を説明します。まずWDMとは光ファイバ中における通信技術の一つで、一つの光をある領域の波長ごとにくぎって情報をのせることで、送れる情報量を多くしようというものです。例えば波長1500nm(ナノメートル)付近はAさんが、1550nm付近はBさんが使うというようにすれば、一つの光に一つしか情報をのせない場合と比べて2倍の情報を送ることが出来ますよね。ここでPCFを用いると、その光パルスの持つ波長を大幅に増やすことが出来るようになります。結果情報の伝送容量を大幅に増やすことができるようになるというわけです。
蛍光顕微鏡について
Q 蛍光顕微鏡って何ですか?
A 細胞や薬の成分、DNAといったような観測したい物に蛍光物質(光を当てると発光する物質)を埋め込みます。すると、光を当てることで蛍光物質が発光し、その発光を計測すれば、埋め込んだ物の位置がわかるという仕組みのものです。
Q 他の顕微鏡と比べて何がいいのですか?
A 観測したい物が人間の体内にあっても、観測が可能な所です。
Q 実際に何を研究しているのですか?
A まずパルス状のレーザー光線を、先ほど説明したSLMやPCF等を通して光の性質を変えます。次にその光を複数の蛍光物質に当てて、その物質ごとの発光する量の割合を測定・制御しています。
Q その研究のすごい所って何ですか?
A 使用するレーザー光の波長近辺で、蛍光物質の吸収スペクトル(物質にどの波長の光を当てたらどれだけ発光するかを表したグラフ)の値が同じ蛍光物質同士を使っても、そのそれぞれの物質の発光量の比を変えられることです。言い換えると、本来なら両方同じだけ光るはずなのに、Aだけ光らせてBの発光量を抑えるといったことができるようになります。
Q なぜそんなことができるんですか?
A 先ほど説明したSLMやPCFを使っていることに加えて、二光子励起という現象がある為にできます。
Q 二光子励起って何ですか?
A 簡単にいうと、1つの物質(1分子)が2つの光(光子)を吸収する現象です。今まではそのようなことは起きないと習ってきたと思いますが(高校で習った光電効果を思い出して下さい)、レーザーのような強い光を使えば起こすことが出来ます。
Q 将来どんなことに使われるんですか?
A 最後まで読んで下さった聡明な読者の方々にはもう既に察しがついているかと思いますが、これもやはり医療やバイオといった分野に応用できるのではと考えられています。
PCF量子チーム
Q このチームは何をしているのですか?
A PCFにレーザパルスを入射して得られた光にある操作を加えることで
スクイズド光という特殊な光を得ることができます。
このスクイズド光発生に関する実験や計算機によるシミュレーションを行ってい
ます。
Q スクイズド光ってどんな光ですか?
A 光には原理的に取り除くことのできない量子雑音というものが存在します。
しかしこの量子雑音は、例えば光子数雑音と光の位相の雑音の積が一定以下にな
らない、 というように2つの雑音の積で決まっています。
そのため、光の位相雑音を犠牲にすることで光子数雑音を圧縮することができま
す。
このように量子雑音を通常のレーザ光に比べ少なくした光をスクイズド光といい
ます。
Q 将来、どのような応用が期待されますか?
A: 量子情報通信という原理的に盗聴不可能な通信への応用が考えられています。
Q 雑音で通信なんてできるのですか?
A: はい、確かに他の一般的なノイズには弱くなっていますが、
実験室レベルでは可能といわれています。
また、最近では雑音に埋もれた光から量子情報を取り出すということも
各所で研究されています。
整形波波長変換チーム
Q 波長変換って何ですか?
A 例えば赤色の光から青色の光などに波長(色)を変えることです。
Q 波長変換すると何がうれしいのですか?応用としては?
A 光源の存在しないような波長の光を出すこともできます。
フェムト秒(10の-15乗秒)レーザパルスの波形整形できる波長は現在のところ、可視域から近赤外域に限られています。それは、波形整形装置の対応波長がその領域に制限されているからです。波長変換を用いればその領域内で波形整形したレーザパルスを他の波長に移すことができます。そうすることで他の波長においてもフェムト秒レーザパルスの波形整形ができるようになります。
Q フェムト秒(10の-15乗秒)レーザパルスの波形整形って何ですか?
A 電気的な変調ではフェムト秒(10の-15乗秒)オーダーのレーザパルスの変調を行うことができません。そのような高速な応答速度を持つ電気素子が無いからです。それではどうやってフェムト秒オーダーのレーザパルスの変調を行うかというと、時間域での変調ではなく、フーリエ変換によって波長域の次元に置き換えて、そこで変調を行っています。
分子制御チーム
Q 分子制御ってどんな研究ですか?
A ある分子の結合を選択的に、切断したり繋げたりすることを目的とした研究です。
例えば、化学結合のC−CとC−Oのどちらをより多く切断するかをレーザのプロパティーによって制御しようとします。我々は現在エタノールやプロパノールなどの比較的化学構造が簡単な分子に注目し、どのようなレーザ光の時にどちらが多く切断されるかを指標とし研究しています。この技術が発展すれば、多様な反応経路の中の任意の一方により多く化学反応を向かわすことができたり、発生しにくい反応を発生させることができ、医薬品から素材製造まで、ありとあらゆる化学物質の製造において力を発揮します。
Q どのような方法で反応制御するのですか?
A 我々が用いているレーザはフェムト秒レーザであります。フェムト秒レーザとは、フェムト秒(10の−15乗)オーダのパルス幅のレーザで、そのパルスの強度が非常に大きく、またレーザのスペクトル幅が広いという特徴を持っています。レーザ(光)とは電磁波であるので、その強度とはすなわち電界(この中では電子などの荷電子は力を得ますよね!F=qEです)強度であると言えます。分子を構成しているモノは電子、原子ですので、レーザの電界を感じさせることによってその動きを制御できます。すなわち、光の道を作ることによって化学反応制御できるというわけです。
最後に、ここで注意しておきたいことは、高校で習ったように、光(光子)のエネルギーが、切断したい化学結合のエネルギーよりも大きい場合に切断するというモデルは上の話では成り立たないことです。
Q フェムト秒レーザのプロパティーって具体的にはどのようなものですか?
A これを説明するのにあたり、まず位相というものを説明します。横軸が時間、縦軸が振幅(大きさ、強度)のグラフに振幅1、周波数1kHzの波を思い描いてください。周波数と振幅さえ決めれば波は全て同じだとお思いでしょうが、これを描いてくれたみなさんはそれぞれいろんな波を想像したと私は思います。注目していただきたいのは、時間=0での波の値です。山の人も居れば谷になっている人もいるでしょう。これが位相です。波を特徴付けるものは周波数以外にも位相というものがあるのです。
さて、フェムト秒レーザの特徴のひとつとしてスペクトル幅(周波数幅)が広いと申しました。この周波数幅に収まっているある多数の周波数の波にももちろん各々に対して位相というパラメータがあります。私たちはそのパラメータをいじってフェムト秒レーザのプロパティーを変化させているのです。
量子相関光チーム
Q 何をやっているの?
A 光や電子は、我々が生きているような巨視的な系においては波的な振る舞いをし
、数個など非常に少ない場合には粒子的振る舞いをします。このような性質を光
の二重性と言い、現代社会の様々な部分で応用されています。半導体携帯パソコ
ンなどなど。
このようにハイテクのブレイクスルーになり得る光の量子状態を観測・制御する
研究を行っています。
Q どんなことをしているの?
光源として使用しているのはファイバーレーザという通信帯である1.55μmのレーザで,ファイバを用いた小型軽量なフェムト秒のレーザです。
レーザから出た光は,ファイバなどの非線形過程を経ることで光の量子的な性質が変化します。この変化した状態(スクイズド光と呼びます)を計測・制御する研究をしています。
このスクイズド光は超精密測定や,重力波の検出などができます。
また,2つの偏光の異なった真空スクイズド光を用いることで量子もつれ合い状態という状態を作ることができ,これは更なる応用に用いることができます。
Q 応用としては?
量子情報通信や量子コンピュータなどがあります。量子情報通信では相関を持った光子対を利用し,原理的に絶対に破れない量子暗号通信という分野があり,実用化されています。
量子コンピュータでは,量子情報の演算,転送,ストレージの三本柱があり,どれか一つが欠けていても実現されません。
特に光の分野で顕著なのは量子情報の演算,転送がホットな研究となっています。転送には量子テレポーテーションが用いられます。先ほどの,量子もつれ合い状態は,この量子テレポーテーションを発生させる為になくてはならない要素です。
量子テレポーテーションはよく聞かれるテレポーテーションとは異なり,人やものは瞬時に移動しません。量子的な性質を持った光を使って,光の量子状態そのものを位置に関係なく移動(テレポート)させることをさします。
量子テレポーテーションと似たものに,量子的な性質を持った光を使って,古典限界以上の情報量を送る量子デンスコーディングというのもあります。
また,量子テレポーテーションや量子コンピュータのほか、量子イメージングのように分解能を2倍・3倍にしたものが考えられます。
これは簡単に言うとCDとBlue-Ray Discの容量差から説明できます(厳密に言うと正しくはないですが,イメージを掴んでもらう為の説明です)。
CDでは赤色レーザを使っていましたが,分解能の限界(回折限界とも言います)からもっと細かく情報を書き込むことができなくなってしまいました。そこでBlue-Ray
Discでは青色の半導体レーザを使うことで,より細かく情報を書き込み,結果として同じサイズのディスク形状でデータ容量を倍増することができたわけです(DVDは少し違い多層にしたりすることでデータ容量を増やしています)。
つまり回折限界は波長によって一意に決まっているのですが,これを更に増やそうというのが量子イメージングの考え方です。相関関係を持った,対になった光子二つを用いると分解能が倍に増えます。原理的には相関関係を持ったN個の光子群を作れれば分解能はN倍になります。
超高速顕微計測チーム
Q 超高速顕微計測チームは何をしているの?
A すごい短い時間に起きる現象を観測しています。この応用として、半導体の欠陥計測や、超高速光スイッチなどの応用が考えられます。この研究室では、主に半導体の計測をしています。半導体の製品は身の回りにたくさんありますよね。
Q 半導体の計測とは?
A 半導体に仕事関数より大きなエネルギーを持った光を当てると、キャリア(電子とか)が励起されます。それが元のエネルギーの状態に緩和するまでの時間は非常に速いことが知られています。そして、その緩和する時間が欠陥領域と無欠陥領域では異なることから、欠陥の計測に応用できます。
Q そんなに速い現象をみることができるの?
A 速い現象をみるためには、超短パルスレーザーを用いて計測します。この研究室では、10の-13乗秒という、非常に短いパルスを用いています。これは要は、すごい短いフラッシュ(レーザーだけど)です。
Q 具体的にどうやってみるの?
A ポンプ・プローブ法というのを用いています。この方法では、ポンプ光(強度大)によって,物質に光学的変化を起こし,その変化をプローブ光(強度小)で,カメラのシャッターのように,一枚ずつ写真をとっていきます。その写真をつなげると,一連の変化の様子がわかります。実際に観測するのは、プローブ光の強度です。
固体レーザチーム
Q 固体レーザってなんですか?
A その名のごとく,レーザー媒質に固体が使われています.実際には,発光イオン
がドープされた結晶やガラスを使用します.レーザー発振させるためのエネル
ギー源には,強力なランプや半導体レーザーを用います.特徴としては,高品質
で,高出力なレーザーが得られることです.ちなみに,神成研で使っているフェ
ムと秒レーザーも,固体レーザーのひとつです.その他には,ガスレーザー,色
素(液体)レーザーなどがあります.
Q 研究の目的は?
A 青紫色半導体レーザで励起可能な固体レーザを開発することです.一般的に,
レーザー発振する波長は,励起した波長よりも長くなってしまいます.つまり,
従来使われている赤色や赤外の半導体レーザで励起すると,レーザー発振する波
長は,どうしても赤外になってしまいます.しかし,青紫色で励起すれば,それ
より波長の短い,青,緑,赤といった可視光でのレーザー発振が可能となりま
す.それがもし可能となれば,3Dディスプレイの実現も...
Q 実際に何をやっているんですか?
A 有望と思われる材料の様々な特性を測定し,レーザー媒質としての評価をおこ
なっています.実際には,測定する実験セットアップも自分たちで構築している
ので,泥臭い作業も多いです.危険なレーザーの使用も...
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